CONSTRUCTION CASE
コンテナハウスの可能性をみる
私たちは、コンテナという限られた空間に無限の可能性を見出し、暮らしやビジネスの新たなスタイルを提案するプロフェッショナル集団です。住まいや店舗、オフィスはもちろん、医療や福祉、産業分野まで、用途や場所を選ばない柔軟な設計と高い施工技術で、唯一無二の空間を創造します。移動式やセルフビルドといった自由度の高い選択肢もご用意し、アイデアと挑戦心に応える設計力で、多様なニーズに応じた最適なコンテナ空間をお届けしています。
HOUSING
住まいとは、問いかけである
“住まい”とは何でしょうか。
屋根があり、壁があり、安心して眠れる場所――
その定義が、これまでは不文律のように受け入れられてきました。けれど、私たちが今立っている時代は、その常識さえも揺らぎ始めています。かつて「一生住む場所」としての家が求められた時代から、今は「変わる自分に寄り添い続ける場所」としての住まいが問われる時代へ。働く場所はリモートに、家族のかたちは多様に、都市と地方の境界は曖昧になり、同時に、空き家・災害・地価・人口変動といった社会課題も複雑に絡み合ってきました。そんな時代において、住まいとは何か――それは「与えられるもの」から、「自ら考え、選び、つくりあげるもの」へと変化しています。ContainerHouse_ATLASは、その問いに対して、ひとつの思想的な地図を描こうとしています。ここは、コンテナ建築という“柔らかな構造体”を通じて、「これからの住まい方とは何か?」を本気で考える人々のための、思索と実践のための場所なのです。
構造が、思想を支える
私たちが扱う「建築用新造コンテナ」は、単なる鉄の箱ではありません。
日本の建築基準法に適合した、『法的にも構造的にも“正当な建築素材』でありながら、移設・増設・再構成といった、未来に開かれた柔軟性を備えた、まさに「動的な住まいの骨格」です。従来のように一度建てたら固定されて動かせない住宅ではなく、時間や環境に合わせて成長し変化していく家──それこそが、今の時代にふさわしい住空間のあり方だと私たちは信じています。このサイトでは、その可能性を裏づけるための情報を集積しています。建築・構造・法規・コスト・デザイン・ユーザー事例――単なる宣伝でも設計カタログでもない、「住まいをどう考えるか」という思想的エンジンを備えた知のアーカイブを、私たちはここに築いていきます。
新しい住まいの哲学へ
とはいえ、コンテナ建築はまだ一般に広く浸透しているとは言えません。
「変わり種」「仮設」「おしゃれなだけ」と見られることも少なくありません。しかし、私たちはあえてその“端っこ”に立ち続けます。なぜなら、真に新しい思想は、いつだって既存の常識の外側から生まれてきたからです。コンテナ建築の本質は、『固定された暮らしからの“解放”」にあります。暮らし方に合わせて“住まいが変わる”という思想。その一棟一棟に、住む人自身の物語が刻まれ、土地や時間に縛られない自由が宿る。それは単なる技術ではなく、生き方の選択肢そのものなのです。このATLASは、そうした建築思想を一時の流行ではなく、根付き、評価され、次世代へ継承される文化として確立するための場であると、私たちは考えています。
この地図から、未来が拓かれる
「ATLAS」とは、地図であり、同時にまだ描かれていない地形を求めて歩く者たちのための羅針盤です。
私たちは、この場所を、そうした“未踏の建築地形”を見つけに行く人のための起点としたい。この地図は完成していません。むしろ未完成であることに意味があります。ここに掲載される事例や思想、設計や対話の断片のすべてが、まだ見ぬ「住まいの未来」への手描きのスケッチです。
このATLASを通じて、私たちは願っています。これから住まいを考えるすべての人が、構造やコストや制度といった現実に向き合いながらも、もっと自由に、もっと深く、自分自身の暮らしを設計できるようになることを。そしてそれが、やがては「住まいの文化」をかたちづくっていく土壌となることを。
ひとこと、最後に
このContainerHouse_ATLASは、製品情報サイトではありません。
ここは、「住まい」という日常に埋もれたテーマを、もう一度思想として掘り起こし、構造として具体化し、文化として育てていくための拠点です。もしあなたが、まだ答えの出ない問いを胸に抱いているのなら、私たちと一緒に、その地図の続きを描いていきませんか。
ガレージハウス
ガレージは、夢の入り口である
家の横に、ただ車を停めるだけのスペースがある。
そう思っていた方にこそ、ぜひ問い直してほしいのが、『ガレージとは何か?』ということです。ガレージは、車のためだけの空間ではありません。整備やDIY、趣味、保管、隠れ家、あるいは仕事や遊びの秘密基地……人が自分の“好き”を持ち込み、没頭し、守るためのもうひとつの「居場所」。私たちは、そんなガレージの価値を、住宅の一部ではなく独立した“住空間”として見つめ直すべきだと考えています。そしてそれに応える存在こそ、建築用新造コンテナを使ったガレージハウスなのです。
建築としての機能性、安全性、自由性
ガレージハウスを「建築」として成り立たせるには、デザインの自由さだけでなく、構造の信頼性、制度の整合性が欠かせません。
私たちが使用する建築用コンテナは、海上輸送用中古ではなく、建築基準法に適合した新造コンテナ。JIS鋼材を用い、断熱性・耐久性にも優れ、住宅と同等の資産価値をもつ建築素材です。もちろん、建築確認申請・完了検査を通した正規の建築物として設計・施工。コンテナであることを理由に違法性が疑われることはありません。そして何より、コンテナという構造体の特性を活かすことで、ガレージ+αの空間提案が可能になります。
例えば:車庫+趣味部屋 | 整備スペース+書斎 | ガレージ+ミニキッチン&泊まれるロフト
自由なプラン、将来的な増設・移設の可能性をふまえ、『拡張する暮らしを受けとめる“柔らかな骨格”』としてのガレージが、ここにあります。
ただの“車の家”ではない、もう一つの「居場所」
コンテナを使ったガレージハウスは、単なる車の収納スペースではありません。
それは、“生活空間と情熱空間をつなぐ”インターフェースであり、ときには家よりも自由で、ときには仕事よりも没頭できる、もうひとつの人生のステージです。今、都市と郊外の境界が揺らぎ、仕事と趣味の境界が溶け出す中で、ガレージは“拡張する自分自身”を支える、静かな拠点となり得るのです。私たちは、その構造的なポテンシャルを、建築基準法と設計思想の両面から最大限に引き出し、クルマと暮らす生き方=ガレージライフの文化化を目指しています。
生に、もう一部屋を贈ろう
もしあなたが「ガレージが欲しい」と思ったなら、
それは単なる物理的な収納空間ではなく、精神的な“余白”を求めているのかもしれません。ContainerHouse_ATLASでは、これまでの“家”や“車庫”という概念から少し距離を置き、もっと自由に、もっと深く、“ガレージという空間”を捉え直したいと願っています。クルマを守るだけでなく、自分自身の情熱や夢を守る。そしてそれを、法的にも、構造的にも、建築としてしっかりと成立させていく。それが、私たちの考える「コンテナによるガレージハウス」であり、その思想と実践を集積し、社会に広げていく地図が、ContainerHouse_ATLASなのです。
人生に、もう一部屋。
それがたとえ10㎡でも、そこには暮らしきれないほどの夢が詰まっているかもしれません。
OFFICE
オフィスという言葉の再発見から
かつて「オフィス」といえば、四角いフロアに並んだ机と椅子、蛍光灯の光の下で無数の背中が動く――そんな景色が常識でした。
しかし、今、働き方はかつてないほどに変わろうとしています。テレワークが浸透し、個の集中力とチームの創造性の両立が求められ、ときには都市を離れ、ときには仲間と集い、柔らかく働ける環境が必要とされています。そんな時代にあって、オフィスもまた「住まい」と同じように、再定義されるべき空間になってきました。働く人の心にフィットし、必要なときに移動でき、状況に合わせて変形できる――そんな自由な発想を受けとめる“懐の深さ”を持つオフィス。その答えの一つが、建築用新造コンテナを用いたコンテナオフィスなのです。
法にも構造にも裏打ちされた、安心の創造空間
コンテナと聞いて、多くの方がまず気にされるのは「安全性」や「法的な整合性」。
もちろん、私たちが使うのは単なる輸送用コンテナではありません。使用するのは、JIS鋼材を用いた、日本の建築基準法を遵守した専用設計の新造コンテナ。確認申請も完了検査もクリアできる“正統な建築物”でありながら、移設や増設、分棟などにも柔軟に対応できる、フレキシブルな構造体です。たとえば、敷地の形状に合わせてオフィスをL字型に組むことも、将来の事業拡張に合わせて別棟をつなげることも可能。
そして空調、ネット環境、断熱性能まで、日々の業務にストレスなく集中できる『“快適な仕事場”としての機能性』も兼ね備えています。
働くという行為に、もう一度空間を与えるけれど私たちが考えるコンテナオフィスの価値は、
単なる「機能的で安価な建物」ということではありません。
それはむしろ、「働くという行為に、もう一度空間を与える」ための挑戦です。仕事とは、机に座ってパソコンを叩くだけのことではない。人と出会い、考えを交わし、ひとりでこもり、時に外を眺めて立ち止まる。そんな『“動きと静けさ”が織り交ざる空間』こそが、本当に豊かなオフィスではないでしょうか。コンテナという“余白をもつ構造体”は、そうした空間のあり方に対して、いくつもの自由な解を提示してくれます。移動できるワークブース。テラスとつながるオープンスペース。ひとりのための思索室。チームの熱を束ねる中庭型レイアウト。
それはまるで、建築というかたちを借りた「働く哲学の実験場」。そしてこのATLASでは、それらを文化として発信していこうとしています。
あなたの仕事場は、もっと自由になれる
私たちがこのコンテナオフィスに込める想いはひとつです。
それは、「働く人の数だけ、働き方がある」――その真実に、空間として応えること。ContainerHouse_ATLASは、施工実績集ではなく、働くことと暮らすことが地続きになっていく時代に向けた、思想と実践のプラットフォームです。業種や規模、働くスタイルの違いに合わせて、どれだけ自由に空間が設計できるか。制度に準拠しながら、どれだけ創造的で、持続可能な職場をつくれるか。それを日々の実例と対話を通じて、ここに記録していきます。いま、あなたが求めているオフィスが、「もう少し柔らかくて、もう少し自分らしい場所」であるならば、その理想はきっと、鉄の箱を超えた“可能性のかたまり”としてのコンテナの中に見つかるはずです。さあ、仕事場にも“選択の自由”を。
ContainerHouse_ATLASとともに、あなたらしい働き方の風景を描いていきましょう。
コンテナカフェ
カフェは、ただの“店舗”ではない
あなたの心に残っているカフェには、どんな記憶がありますか?
お気に入りの椅子、窓から差し込む光、なんでもない会話。それは「飲食する場所」以上に、その人の人生に寄り添う時間と空間だったのではないでしょうか。今、カフェという空間は変わりつつあります。大型チェーンや画一化された内装ではなく、オーナーの想いや世界観を大切にする、『“小さな個性の店”』が支持されるようになっています。そんな今だからこそ、建築にも“発想の自由”が求められています。その答えとして私たちが提案するのが、『建築用新造コンテナを活用した「コンテナカフェ」』という選択肢も生まれてきました。
店舗であると同時に、建築であること
「コンテナで店舗をつくれるんですか?」というご質問をよくいただきます。
答えはもちろんYES。ただし、どんなコンテナでもいいわけではありません。私たちが使用するのは、JIS鋼材を使用し、建築基準法をクリアした高品質な建築用コンテナ。輸送用の中古コンテナではなく、あくまで『建築物として正規に扱える“新造の構造体”』です。これにより、確認申請から完了検査まで正式な手続きを経て、法的にも安心できる店舗空間を実現できます。もちろん、デザイン性・断熱性・耐久性にも妥協はありません。建築としての性能を備えつつ、『コンテナならではの「非日常的な雰囲気」』を演出できるのが大きな魅力です。
それは、訪れるお客様にとっても、記憶に残る「場」としての価値を生み出します。
あなたの世界観を、空間で語るために
カフェは、ひとつの表現です。
メニュー、音楽、家具、接客、そして空間――そのすべてに、オーナーの“世界観”が宿る場所です。私たちがコンテナカフェにこだわる理由は、それが自由な発想をかたちにできる、柔らかくて強い骨格だからです。たとえば、狭小地や変形地でも、ユニットの配置を工夫して建築可能。土地に合わせて設計を調整し、増築や分棟も視野に入れながら展開できます。山の中にポツンと佇む隠れ家カフェ港町の倉庫街をリノベしたアートな店舗。郊外に開く、光あふれるファミリーカフェ。それぞれのストーリーにふさわしい設計が、『あなただけのブランドとしての「空間価値」』を生み出します。カフェという名の“表現装置”を、建築として支える――
それが、私たちの役割です。
その一杯の背景には、思想がある
おしゃれなカフェはたくさんあります。
でも、「なぜこの場所に」「なぜこのかたちで」つくられたのか――そこに確かな思想があるかどうかで、空間の深度はまったく変わってきます。ContainerHouse_ATLASは、単なる施工例の紹介ではなく、なぜカフェにコンテナという選択肢がふさわしいのか、その“思想的な背景”まで含めて記録・共有していく場です。これからカフェ開業を考えるあなたに、必要なのはお金や設備の情報だけではありません。空間のあり方を、自分で選びとる視点です。そしてその視点の先に、“鉄の箱”が“夢の器”に変わる瞬間があると、私たちは信じています。
最後に:一杯のコーヒーから始まる建築カフェという空間には、未来を変える力があります。たった一杯のコーヒーが、人を癒し、出会いを生み、アイデアを育てる。そのすべてが生まれる舞台を、確かな構造と法的信頼性のあるコンテナ建築でつくりませんか。私たちはその“第一歩”を、建築の側からサポートします。あなたの想いに、鉄の輪郭を。
ContainerHouse_ATLASから、新しいカフェ文化が芽吹くことを願って――。
医療福祉のジャンル
人を支える空間とは何か
福祉施設と聞いて、どんな空間を思い浮かべるでしょうか。清潔で、機能的で、段差が少なくて、管理しやすいもちろん、それらは欠かせない条件です。けれど本当に大切なのは、そこに人の気配があること。使う人も、支える人も、日常を“その人らしく”営める空間であることではないでしょうか。福祉とは、人を支える営み。そして福祉空間とは、人の想いを受けとめる「器」であるべきです。私たちはそこに、建築用新造コンテナという、あらたな可能性を見出しています。
制度をクリアし、心を支える構造体
まず何よりも、法的に安心して使える建築であることが前提です。私たちが使う建築用コンテナは、輸送用の流用ではなく、JIS鋼材を使用し、建築基準法をクリアした新造構造体です。確認申請から完了検査まで、正規の手続きを経て、「建築物」として正式に認められたコンテナだからこそ、放課後等デイサービス、就労支援施設、小規模多機能施設、地域拠点などにも安心してご活用いただけます。加えて、断熱性・遮音性・耐久性に優れ、利用者の快適性と運営者の維持管理性の両立が可能。バリアフリー設計、動線の確保、視線の抜けや明るさ、心理的な配慮まで、福祉施設に求められる細やかな設計要件にも柔軟に対応できます。そして何より、コンテナは“柔軟に組み替えられる空間”。「地域の中にひらかれた施設」「使いながら成長する場所」という、従来の施設建築では叶いにくかった構想にも対応できる、拡張性のある器です。
制度と現実のあいだに、建築ができること
福祉をめぐる現場には、制度や補助金、土地条件、採算性など、さまざまな制約があります。私たちはこれまで、そうした制限のなかでも『“あきらめずに形にしていく”建築の力』を信じてきました。たとえば、狭小地や遊休地を活用した施設。近隣との景観調和を意識した外観デザイン。必要最低限の面積からスタートして、将来的な増棟に対応する分棟設計。こうした柔らかく、戦略的な空間づくりができるのも、コンテナ建築ならではの特性です。そしてそれは、今後の地域福祉において求められる「しなやかで継続的なサービス」の拠点づくりと、見事に呼応しています。施設運営者、ケアワーカー、利用者、そして地域の住民──それぞれの目線が交差し、折り合い、協調しながら共に育っていく空間。福祉を“施設”から“風景”へと変える拠点づくりが、ここからはじまります。
結:支える人に、支えられる空間を
福祉において最も大切なのは、「誰かの役に立ちたい」という真摯な想いです。その想いが、社会の仕組みや物理的な壁によって阻まれてしまうのは、とても悔しいことです。だからこそ、建築ができることがある。制度と現実の隙間を埋める構造体として、心と機能を両立させた「福祉のための空間」として、私たちは建築用新造コンテナを提案しつづけたいと考えています。このContainerHouse_ATLASは、福祉施設の設計・施工実績を紹介するだけの場所ではありません。福祉の現場に携わる人たちが、自分の手で新しい空間をつくりあげていく、その歩みを共有するための地図です。まだ名前のない拠点、まだかたちにならないアイデア、まだ届いていない希望。それらすべてを、ひとつの“箱”に詰め込んで、人にやさしい建築の風景を、私たちはここから描き始めます。
プラントコンテナの世界
プラントを“運べる”という発想
かつて、プラントとは「その場に構築するもの」でした。基礎を打ち、建屋を立ち上げ、内部に配管や装置を組み込む――すべてが“現地施工”を前提とする、膨大な工程と時間を要するプロジェクトでした。けれど、技術の進化と時代の要請は、こう問いかけはじめています。「そのプラント、本当にそこに“建てる”必要がありますか?」私たちは、ひとつの答えとして、“コンテナ内にプラントを構築する”という選択肢を提案します。それは、工場でもなく、建屋でもなく、“ユニット”としてのプラント。そして、そのユニットこそが、建築用新造コンテナなのです。
コンテナが変える、プラントの常識
この方式の最大の強みは、「完成度の高いプラントユニットをあらかじめ製作し、現地では“設置”のみで稼働させられる」という点です。つまり、現地工期の圧倒的な短縮と、工程管理の精度向上を実現します。建築用新造コンテナは、建築基準法に適合し、構造的な強度と断熱・耐久性を兼ね備えた“移動できる箱”。その中に、電気系統・配管・制御盤・作業ブースなど、必要な装置をパッケージングして収めることで、従来よりもはるかに精密かつクリーンな設計が可能になります。しかも、設計段階から分棟化・拡張・メンテナンス性を想定しておけば、将来的なユニット追加や機能変更にも柔軟に対応できます。海外の工場へ1ユニットだけ納品してテスト稼働、小規模な地域拠点での限定操業、災害時の移設型インフラユニット
こうしたユースケースは、「建築を伴わないことで生まれる、動的なプラント像」の可能性を示しています。
静的なインフラから、可変型インフラへ
プラントは長年、“土地に縛られた静的なインフラ”として扱われてきました。それがあたりまえの前提であり、そこに疑問を挟む余地はなかった。けれど今、時代は可変性とスピードを重視する新しいフェーズへと入っています。地政学的リスクに応じて、稼働地を変えたい。市場変化に合わせて、一部機能を分離・再配置したい。サーキュラーエコノミーに則った再利用可能な設備にしたい。そんな声に、従来型の建築プラントでは対応しきれません。機能を持った空間そのものが“運べる”こと。それは、プロセス産業やエネルギー産業の設計思想を根本から変えるインパクトを持っています。この可変型プラントという思想に、建築用新造コンテナの構造性と法適合性が絶妙に噛み合うことで、「移せる」「つなげる」「増やせる」「保てる」――そんな未来型インフラが具体化するのです。
それは、プラントを超えた“建築の未来形”
私たちは、コンテナによる建築を単なる“手段”とは考えていません。それはむしろ、空間そのものに可搬性と進化性を持たせる、21世紀的建築の思想なのです。プラントにこの考えを導入することは、単なるコスト削減や工期短縮にとどまらず、インフラそのものを動的な資産に変えるという、未来への一歩です。ContainerHouse_ATLASでは、こうした新しいプラントのプロトタイプを、技術的にも思想的にも、リアルな言葉と記録で共有していきます。そして願わくば、次の時代の設計者や事業者が、「プラントとは建てるものではなく、組み上げて移すもの」という感覚を、当たり前のように持てる文化圏をつくっていきたい。
それが、私たちの願う建築と産業が交わる新しい地平線のはじまりなのです。
イベント用コンテナ
一瞬の空間に、確かな骨格を
イベントとは、“一瞬の出会い”です。それはたった一日の野外フェスかもしれないし、季節ごとの物産展かもしれない。あるいは、プロモーションキャンペーン、アート展示、地域祭典──どれも、限られた時間と場所で、人の心を動かす場です。だからこそ、その空間には「つくりやすさ」と同時に「記憶に残る強度」が求められるのです。私たちが使う建築用新造コンテナは、単なる仮設什器ではありません。JIS鋼材を使用し、建築基準法に適合した、安心・安全・高品質の構造体。この「動かせる建築」をイベントに活用することで、空間そのものに確かな骨格と文化的な存在感が宿ります。
運べる、つなげる、ひらける
イベント用コンテナの魅力は、その機動性にあります。1台で完結するミニマムな設営型店舗から、複数台を連結・展開する仮設街区型のモール設計まで、構成は自在。しかも、建築用コンテナであるからこそ、天候に強くセキュリティ性が高く構造的に安心加えて、空間として“閉じる”ことも“開く”こともできる。つまり』人の流れをどうデザインするか?』というイベント設計の肝に、空間そのものが深く関与できるのです。用途も様々──カフェブース、展示ブース、インフォメーションセンター、ステージ裏、VIP控室、ポップアップストア、モバイルスタジオ…これらすべてが、一貫したデザイン思想で設計されたコンテナで構築できるのです。
イベントは“建築”になれるか?
従来、イベント空間は“仮設物”とされてきました。作っては壊し、終われば撤去される――その繰り返しは、コストの面でも、環境の面でも、持続可能とは言えません。私たちが提案するのは、イベント空間を「建築」として捉えることです。使い捨てではなく、繰り返し再設計され、蓄積される空間。単なるブースではなく、風景の一部として記憶に残る場所。可搬性を持ちつつ、本物の強度と機能性を持った“動く建築群”。これは、イベントが「一過性の体験」ではなく、都市や地域に対してメッセージを投げかける場になるための第一歩なのです。
コンテナでつくる、記憶に残る時間と場所
建築用新造コンテナは、イベントという短命な空間に、構造的な説得力と文化的な重さを与えることができます。そこに現れるのは、単なる“スペース”ではなく、『人と人が交差し、物語が生まれる「風景」』です。そしてContainerHouse_ATLASは、この「動かせる建築」をイベント空間に応用した実績や知見を、単なる展示ではなく、未来につながる知の地図として記録していきます。「動くことで、人と街をつなぐ」そんなイベントの可能性が、コンテナから始まります。
離島建築の可能性は、海を渡る箱から始まる
なぜ人は、島に惹かれるのか
人は時に、自分でも説明できないような衝動で、「島で暮らしたい」と思うことがあります。それは都市の喧騒から逃れるためかもしれないし、もっと根源的に、“自然と共に生きる”というリズムを取り戻したいという本能かもしれない。でも、その願いの前には、必ず“建築”という現実の壁が立ちはだかるのです。限られた建設資材、限られた人手、運搬の困難、法制度との折り合い、それでも、「ここで暮らしたい」と願う人の背中をそっと押せる建築。
それが、建築用新造コンテナによる離島建築の提案です。
運ぶ、建てる、住まうをひとつに
私たちが使うコンテナは、単なる「箱」ではありません。JIS鋼材を使用した構造体としての建築用新造コンテナは、最初から「建築物」として成立するスペックを備えた“運べる空間”です。離島建築において、これは決定的な意味を持ちます。現地での工事期間を最小限に抑える必要なユニットをフェリーで運び入れるライフラインと接続するだけで“即生活”が可能になる資材運搬の難しさ、職人不足、工程の煩雑さ──それら離島建築のハードルを、事前製作とモジュール設計によって乗り越えるのです。「家を“現地でつくる”のではなく、“連れて行く”」そんな発想の転換が、島に生きる人々の未来を変えはじめています。
変化に応える建築は、風景と呼吸する
離島には、島ごとの風土があります。風の強さ、塩害、湿気、地形、集落の文化、住民の目線。一律の建築が通用しない場所で、私たちは**“応答する建築”**としてのコンテナを設計してきました。離島医療の仮設診療所、小さな図書室やカフェ、移住者のための一棟貸し住宅、地域資源を活かした加工所や工房、学校に併設された探究拠点や塾スペース、どれも**「最小で最大の価値を発揮する空間」**を目指し、**デザインと機能のバランスを保ちつつ、自然と共に暮らす“箱”**として提案されてきました。可搬性、拡張性、耐候性、そして何より“建築物としての正当性”。この4つの要素が揃って初めて、離島という舞台に、持続可能な建築文化を根づかせることができるのです。
島に、未来を建てる
ContainerHouse_ATLASは、単なるカタログではありません。ここにあるのは、「島に暮らす」「島で挑戦する」という想いを、“建築というかたち”で叶えてきた記録と構想のアーカイブです。私たちが届けたいのは、建物ではなく、未来の選択肢。それは「この島でなら、生きていける」と誰かが思えるような、しなやかで、頼もしい“小さな建築”たちです。波の向こうに見える、まだ名前のない空地に。今日もひとつの箱が届きます。
それは、希望が詰まった建築の種なのです。
トレーラーハウスという、「コンテナハウス」のもう一つの形
――起承転結で読み解く、移動式建築の未来像――
定住か、移動か――暮らしに問われる時代。暮らしのかたちは、いま静かに揺らいでいます。
定住だけが正解ではない。ときに場所を変えながら、環境や心に合わせて拠点を動かす。そんな「移動と定住のあいだ」にある選択肢として、いま注目を集めているのがトレーラーハウスです。それは、タイヤとシャーシを持ち、けん引によって自由に移動できる“もうひとつのコンテナハウス”。旅するように生きる人、二拠点生活を求める人、災害時に柔軟な住居を確保したい人……多様化するニーズの中で、トレーラーハウスは「住まい」の概念を問い直す装置になりつつあります。
「建築確認不要」は本当か?トレーラーハウスの正しい理解
トレーラーハウスには、“建築確認申請が不要になる場合がある”という認識があります。確かに、車両扱いとして条件を満たせば「建築物」と見なされず、設置が容易になります。しかし、それは仮設性・使用日数・ライフラインの接続状況など厳格な基準のもとに成り立つ話です。誤解が広がりやすい分野だからこそ、法的にグレーではなくクリアであることが非常に重要なのです。私たちが扱うトレーラーハウスは、単なる“置くだけの箱”ではありません。建築用新造コンテナをベースにした、断熱性・耐候性・構造強度を備えた本格仕様。それは仮設ではなく、**「動かせる本物の空間」**として、暮らしをしっかり支える器です。
動くことは、選べる自由を持つこと
トレーラーハウスの最大の価値は、「動かせる」ということ。それは単に可搬性の話ではなく、人生の選択肢が拡がるということです。
災害時、安全な場所に移せる。仕事の変化に合わせて設置場所を変更できる。人の流れに沿って商業施設として活用できる(移動式カフェ・ポップアップストアなど)。離島や山間部でも、“家を持ち込む”という発想で暮らしが成立する。まさに、『トレーラーハウスは“生き方に追従する建築”』です。そしてその根幹を支えるのが、建築物として成立する品質を持つコンテナという点。私たちは、「モバイル型住居」という響きに甘んじず、“住まいとしての強度”と“動く自由”の両立を目指しています。
トレーラーハウスという思想の器
コンテナハウスとトレーラーハウスは、異なるようでいて、根底に同じ精神を宿しています。それは、空間が固定されることで生まれる制約から、人を解き放つという思想です。私たちが手がけるトレーラーハウスは、ただの移動可能なシェルターではありません。「選択する自由」と「安心して住めるクオリティ」の両立を追求し、旅にも、仕事にも、家族の時間にも寄り添う“住まいのもう一つのかたち”です。ContainerHouse_ATLASでは、この『「移動できる建築文化」』を、法制度・施工・実例の面からも丁寧に記録し、未来の住まいの選択肢として確かな地図を描いていきます。トレーラーハウスという名の、ひとつの思想。それは、定住の時代が終わったわけではなく、“自由と共にある定住”の新しい幕開けなのかもしれません。
セルフビルド・コンテナ・システム「MIKAN(未完)HOUSE」
あなたの手で、建築が始まるということ
なぜ人は、自分の“空間”をつくりたがるのか
人は家を買うとき、いつも「選択肢」から選ばされます。デザインされた空間、すでに完成された形。確かにそれは安心だし、楽かもしれない。
でも、どこかで感じているはずです。「本当は、自分で空間をつくってみたかった」という気持ちを。庭の端に、趣味の工房を建てたい。週末だけ開くコーヒースタンドをやってみたい。退職後、海辺で過ごす小さな住まいを自分でつくってみたい。それは“夢”ではなく、自分自身とつながるための建築のかたち。その欲求を叶えるためのシステムとして、私たちは
『「セルフビルド × 建築用新造コンテナ × 確認申請対応」』という構想を形にしてみました。
建築確認とDIYは、両立できるのか?
一見、矛盾して聞こえるかもしれません。「セルフビルド」と「建築確認」なんて、正反対じゃないのか、と。でも、私たちはその矛盾こそが突破口だと考えました。使用するのは、JIS鋼材による建築基準法適合の新造コンテナ法令を踏まえた設計図・構造図をセットで提供、地盤調査や建築確認申請も、プロがサポート。施工支援マニュアルやオンライン講習まで整備、必要に応じてプロが施工補助にも入れる体制。
つまり、これはただの「材料売り」ではなく、建築とDIYのあいだをつなぐ、正規ルートのプラットフォームなのです。「素人でもできますよ」と無責任に言うのではなく、「きちんとやれば、誰でも建築に触れられる」という責任ある可能性を提示する。
それが、私たちの考えた「セルフビルドコンテナシステム」です。
自分の手で“空間”を持つという革命
自分の手で空間を組み立てるということ。それは、単に物理的な構築行為ではありません。どんな風に日が入るのか自分がどこで座っていたいのか、音はどう抜けていくのか、風が抜けるラインはどこか、そんなことを考えながら、空間を“つくっていく”過程こそが、住まいと自分がひとつになるプロセスなのです。しかもそれが、確認申請という制度の内側で成立している。つまり、資産として認められ、安心して人に継承できる“建築”としての価値も持っている。これまで「仮設」や「違法建築」のようなレッテルを貼られてきたセルフビルドに、私たちは公式の正面玄関をつくったのです。
ひとつの建築は、ひとりの革命だ
ContainerHouse_ATLASが記録していくのは、このセルフビルドという小さな革命の足跡です。それは決して大量生産や大量施工の対象ではないけれど、誰かの人生を変える一棟になるかもしれない。そういう建築にこそ、文化として残す意味があると私たちは信じています。「建ててもらう建築」から、「自分で立ち上げる建築」へ。それは、手を動かしながら、自分の人生の手綱を握り直すことでもあります。あなたの空間は、あなたの手で始まる。
それが、「セルフビルド・コンテナ・システム」という挑戦の、本質なのです。