構造の美学
STRUCTURE
構造の美学(いくつかの断面)見えない力が空間をつくる。コンテナ建築に宿る静かなる詩。いつも美学を考えている。七つの断面で綴る、建築という詩の断面図。Structure is not just about strength. It is about silence, rhythm, and trust.
断面一|沈黙する力、それが構造である。
建築とは、空間にかけられた魔法のような力である。だが、その魔法は、派手な装飾や奇抜なデザインではない。むしろ、目には見えない「構造」こそが、空間のすべてを支え、導き、黙して語る。構造とは、重さに耐え、揺れに抗い、時間を超えて建築を立ち続けさせる力の流れ。それは計算され、配慮され、時に削ぎ落とされ、最小限の素材で最大限の安定を生み出すために生まれてくる。そして、この見えない力が、あるとき不意に「美しい」と感じられる瞬間がある。それは、理性と感性が手を取り合った時だ。計算式と直感、鉄骨と光、重量と静寂がひとつになって、私たちの内面にまで響いてくるとき。そこに生まれるのが、「構造の美学」である。